コラム

ゲームコンテンツ制作フローを徹底解説!~イベント運営編~ – シナリオ制作会社ひつじぐもコラム

※ゲームなどの企画についてシナリオ制作のご相談受付しております。問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

昨今のゲームといえば、運営が前提。

ゲームのプランナーやディレクション経験がない場合、自社のゲームをどのようにして運営・製作していくのか戸惑う方も多いと思います。また、実際に経験があっても、どこまでがコアでどこから外注できるのかは自社のカラーやユーザーの層、制作会社のスキルや知識によるところも大きく試行錯誤が必要な部分です。

そこで今回は、ゲームコンテンツの運営イベントに焦点をしぼって、制作フローをまとめてみました。 これはあくまでも一般的なフローなので、様々なゲーム会社、制作会社およびクリエイターの方と異なる部分もあるかもしれません。

制作フローと業務内容を可視化することで、いったい自分が自社のどの業務をコアとし、何を担当し、何を外注できるのか見えてくるのは確かですので、ひとつの参考にしてくださいね!

1.イベント企画立案

運営フェーズでは大イベント、小イベント(ガチャ含む)のようにカテゴライズされていることが多いです。既にイベントの年間計画が決まっていればそのまま仕様設計に移ります。

2.イベント企画仕様書作成

イベント企画は下記のような形で仕様を決定します。

2-1. 売上(利益)目標は?

2-2. どこが課金ポイントか?

(ア) 売りたいアイテムは何か?

2-3. 上記から算出する必要ボリューム

(ア) イラスト素材数

(イ) シナリオ素材数

(ウ) その他組み込みや新規の開発工数

2-4. ユーザー満足度

一般的には他のイベントから利益予想を出していので、ここまで0ベースから考えることは少ないです。
ユーザーの嗜好やKPIを考慮していくと、次の素案作成まで一緒に完成することも珍しくないかもしれません。

3.イベント素案作成

前項で決まった仕様をコンテンツの概要に落とし込みます。

具体的には、
・世界観やテーマ
・どのキャラクターや世界観(複数の世界観が存在する場合)を取り上げるか?
 ・ 新規キャラクターか?
 ・ 既存キャラクターか?
・ テイスト

を決めていきます。
人気のキャラクターを出すにも、イラストレーターや声優のスケジュールに左右されることが多いので、ここまではコア業務として自社でディレクターが担当するのがおすすめです。
例としてカードイベントの素案の例を出してみましょう。
このコア業務が終了後の、イベント素案作成の流れを一例出してみます。

素案例

イベントコンテンツ内容(ストーリー案)の作成(企画)

次はストーリー案の作成です。イベントコンテンツのテーマともいえるものです。
イベントコンテンツ内容(ストーリー案)の作成までが素案となることも多いのですが、あえて区別しました。前項はコアな業務、そして次項からは外注できる業務だからです。

ディレクター「イベント企画仕様、今回はクリスマス、人気の○○キャラで、2000文字・前後編でいきたいです~。ユーザーがカードを入手して取得するイベントシナリオなので、もちろんカードイラストもクリスマスのスペシャル感を出したいです! こんな感じで作成できます?」

 ひつじぐも「分かりました! 付き合ってる設定で糖度200%くらいでいいでしょうか?」

 ディレクター「クリスマスなんで、付き合っていちゃついてほしいです!」

そこで、プランナーやシナリオライターはこんなストーリー案を提案します。

ストーリー案例

 

 ひつじぐも「いずれかでいかがでしょうか!」

これは女性向のソーシャルゲームアプリでの素案、ご提案例です。もっと長編になることもあるでしょうし、恋愛色を排除しているゲームアプリもあります。

一番大事なのは、ユーザーの方達が何を望んでいて、そのイベントでどれだけ楽しめるか。
ひつじぐもでは、○○なイベントが人気のようなので~、その月はバレンタインなので~、といった、ユーザー目線に立ったご提案を大切にしています。

5.世界観設定書・キャラクター設定書作成

日々の運営に追われ、設定書の整備は後回し。外注したいと思った時にはシナリオしか資料がなく途方に暮れた。

そんな経験はおありではないでしょうか?

ソーシャルアプリでは、多くのキャラクターがユーザーに愛されています。
コンソールよりも世界観は広大なことがほとんどで、キャラクターも運営が続けば続くほど深掘りし、より親しんでいただく、愛していただく工夫が必要になってきます。

ユーザーの心をくすぐるキャラクター作りは生命線であり、魅力的なストーリーはキャラクター設定書にかかっているといっても過言ではないほどです。

それゆえに、ゲームディレクターやゲームプランナーの負担は大きくなり、特に最初に関わるゲームディレクターやプランナーが少なければ少ないほど、ドキュメントの整備は遅れがちです。

今は自分が全てを管轄しているとはいっても、後任に任せることになった時に、スムーズに引き継ぐことができるように、設定書の作成、更新は習慣づけるようにしましょう。

新規キャラクターがいる場合、キャラクター設定書はイラストの指示書を兼ねることもあり、作らないことのほうが少ないと思いますが、既存のキャラクターでも設定が付加されたり武装が増える場合は更新を習慣づけるようにしましょう。

また忘れられがちですが、用語集などもあると便利です。
よくある話で言えば、章と話とシーンの違い等がわかると助かります。
運営フェーズになれば、大勢の手が入ります。
共有資料はしっかりして間違いやブレがないよう一貫していきたいところです。

6.イラスト指示書作成

イラストレーターに発注するための資料で、キャラクター設定書から起こします。
キャラクター設定書に書かれてあるキャラクターの履歴やストーリー、性格から、どんなビジュアルにすれば一番「キャラクターらしさ」を出せるのか。それがこのイラスト指示書にかかってきます。

どこからどこまでをイラストレーターに任せ、どこまでを指示するのかは自社のカルチャーやイラストレーター(あるいはその監修をするアートディレクター)のスキルによりますね。
こちらの指示書作成も毎月納品実績があります。

キャラクター制作者のイメージが一番一貫しているので、通しで作成した方が魅力が出る場合は多々。
男性向けの案件だと、イラスト指示書を作成してイラストを作成して、それにつけくわえる形でシナリオを起こすことが多いんですが、女性向けだとあまりやりません。こんなところに性差(!?)が出るのは面白いですね!

7.イラスト制作

イラスト指示書を元にイラストレーターがイラストを作成します。

8.プロット作成

「イベントコンテンツ内容(ストーリー案)」フェーズで話し合いの上作成した素案を元に、プロットの作成へ!
ここからは、普段から外注している方も多いのではないでしょうか?

読みやすいプロットの形、文字数、フォーマットがある場合には、ぜひプロット作成者に伝えてあげてください! それだけで意思の疎通が上手くいくことがあります。

注)プロット段階ですれ違うことがあった場合には、必ず潰しておきましょう! 最終的にシナリオ作成後に直したりしていると時間と労力のロスです。特に忙しいディレクターさんは、時間大切ですよね!

9.シナリオ作成

OKとなったプロットから、シナリオに起こします。
ここでは、挿入されるイラストや文字数に留意しながらの執筆が行われています。
何といっても、シナリオは時間とクオリティの勝負……シナリオライターの腕の見せ所です。
外注に必要な資料はこちらをご覧ください。

駆け出しゲームプランナー・ディレクター必見! シナリオライターが即取りかかれるシナリオ発注に必要な資料
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10.シナリオ監修

弊社では、すべてのシナリオをシナリオライターとは別の者が監修して提出しています。
仕様に沿っているか、ちゃんとドキドキできるようになっているか。
※こちらのシナリオ監修に関しては、またの機会に詳しくお話させていただきたいと思います!
上がってきたシナリオのチェックの仕方は人それぞれのようです。誤字脱字がメインだったり、重複表現だったり、キャラクターらしさだったり……。

ご自分のやり方、またはタイトルによってやり方を変えるなど、色々な兼ね合いが必要になってくるところかと思いますが、これもシナリオレギュレーションを整えておくことで、コミュニケーションがしやすくなってきますよね。

11.イベントコンテンツ完成、組み込み

やっとできましたね!!!
弊社ではスクリプト入力までさせていただくこともあります。
Unityで確認して……希望通りの動きをしているでしょうか。
あとはテストをして、配信にハラハラドキドキするだけ!

まとめ

ゲームイベントコンテンツの制作における一連の流れを解説しました。自社のコア業務を定義し、その他を外注すれば、効率化やクオリティの安定につながります。

おすすめなのは、イベント企画仕様書作成もしくは素案までを自社で作成するパターンです。それ以降はチームさえ編成できれば外注可能なフェーズです。イベントの場合、ひつじぐもではそのパターンが非常に多いのも確か。
より組み込むフェーズに近づくほど外注しやすい(スキルを問わない手を動かす)業務内容になっていきますが、制作会社のスキルや得意分野に応じて、自社で監修のフローを設計したり、担当したりする必要があります。

注意したいのは、クリエイターはひとつのスキルに特化していることが多いので、似た業務内容に見えても、ひとりで対応できるとは限らない点です。また、単純に手が空かないからこれを頼みたい! と個別に外注していき最終的に社内の管理工数が跳ね上がってしまった……ということもよく聞きます。

スムーズな制作サイクルを回せるよう、最初に制作チームの編成を考え、よりユーザーに楽しんでいただけるゲームコンテンツ制作を目指しましょう。

 

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